「夢で逢えたら」 キンモクセイ(2005年)

キンモクセイなんである、あろうことか。吉田美奈子でもシリア・ポール(古い!!!)でもなく。
いや、何て言うか侠気を買ってしまった。
ミュージシャンが今さら「夢で逢えたら」をカヴァーしようなどという勇気は、意外と持てるものではないと思うのだ。
揶揄でもバカにしてるのでもなんでもない。
それまでどっちかと言うとキンモクセイ、私の中では「気持ち悪い音楽をやる人たち」の中にカテゴライズされていた。むしろ名前を口にするのも恥ずかしい人たちであったはずなのだ。
それだけにこの、「今さら真正面から『夢で逢えたら』を持ってくる攻撃」、しかも今さらやろうというだけあって、出来にもある程度の確信があったのだろう。……あまたのカヴァーをおさえて、かなりいい、という事実の前に、何というか

「頼む、この一発限りのまぐれであってくれ」

と、私としてはみっともなくじたばたするばかりだ。
しかし彼らの攻撃はそれだけではなかった。聞くところによるとこの曲のカップリングは
何とあの「熱き心に」だというではないか。
目もくらむ正しき大瀧詠一リスペクトっぷりである。負けそうだ。イコール買ってしまいそうだ。

どうすればいい。