「えりあし」aiko(2003年)

銭湯など、公共の場で肌をさらすような場所には昔から「入れ墨お断り」と書いてあるものですが、ファッション目的のタトゥーが台頭して以来、なかなかこの辺の事情がややこしくなっているという話を聞いたことがあります。要はちょっとしたお洒落アクセント…

「生きがい」由紀さおり(1970年)

別れた男性のことを胸にとどめ、「私は今でもあなたと生きているの」という女性の心情が、ちょっと童謡めいた素朴なメロディーに乗せて歌われています。この歌のことを考えると、バランスというのは本当に大事だなとしみじみ思います。「別れたけど好き」と…

「夜間飛行」 ちあきなおみ(1973年)

公の場から完全に姿を消し、今やすっかり神格化された感のあるちあきなおみですが、私が子供の頃、まだ当たり前にテレビの中で見ることが出来た時代の彼女は、何かもっと軽妙というか、子供心にも「彼女が出ていれば楽しい」と感じさせるような存在だったよ…

「ハリウッド・スキャンダル」 郷ひろみ(1978年)

作詞・阿木耀子さん、作曲は都倉俊一さんという、セレブ感漂う珍しいペアの作品です。都倉俊一さんというと一世を風靡したイメージがありますが、カラオケであれこれ歌っていてもなかなか「作曲・都倉俊一」のクレジットにお目にかからないのが不思議だなと…

「めまい」 石野真子(1980年)

アイドル時代の真子ちゃんを語るにおいて、内心苦々しく思いつつも、やはりあの「長渕」の存在を避けて通るわけにはどうしてもいかないのでした。むしろ彼女の、少なくとも結婚引退前までの作品は、ずばり「長渕登場前/登場後」で大きくその色を変えたと言…

「リップスティック」 桜田淳子(1978年)

桜田淳子の、歌手としての「ずばりの立ち位置」って、実はこの歌だったのではないかと今さら気がつくのです。思えば桜田淳子って不思議なキャラクターです。とてつもない陰を隠し持っていそうで、それゆえ真に芸能人っぽい感じがします。白いお帽子をかぶっ…

「シクラメンのかほり」 布施明(1975年)

さてこのページは「昭和の名曲について語る」という意図でやっているわけではなく、あくまでも冒頭に書いてある通り、「その時々に脳裏に浮かんでしまった曲」というのを脈絡なく取り上げては何かひとこと書き添える、という感じで続けております。ですから…

「Boy friend」 ハイ・ファイ・セット(1985年)

蒸し返すのも気が進まないのだけれど、ハイファイセットの、あの生活に困って「ハイファイ窃盗」(どこぞのスポーツ紙の見出しがこうであったらしい)を働いてしまったメンバーは今どうしているのだろう。あんなにもあんなにもあんなにも珠玉の作品を数々の…

「夕暮れ時はさびしそう」 NSP(1974年)

天野滋氏が亡くなっただなんて……! 全身の力がよろよろと抜けてしまってどうしようもありません。何て言うかとても言葉に出来ないぐらい特別な人だったんだよー。「女々しいことはなんて女々しくないんだろう、むしろ真の漢なんだろう」ということを、子供だ…

「僕等のダイアリー」 H2O(1981年)

この曲を取り上げたからと言って、H2Oについて語りたいのかと言うとそんなわけはなくてですね。たとえそこにオダギリジョーが100人いたとしても、たった1人の来生たかおの前にはあえなく負けてしまうのではないか……ということを、ワールド・ワイド・ウェブ…

「愛はポケットの中に」 華盛開(1981年)

カイリーさんの手術が成功したそうで、連日ほぼ分刻みで入れ替わるニュースを逐一追いかけてしまった身としては何やらとりあえずひと安心といったところ。ところでそのミノーグさんなのですが、ニュースによって「Pop diva」とか「Superstar」とか、名前の前…

「夢で逢えたら」 キンモクセイ(2005年)

キンモクセイなんである、あろうことか。吉田美奈子でもシリア・ポール(古い!!!)でもなく。いや、何て言うか侠気を買ってしまった。ミュージシャンが今さら「夢で逢えたら」をカヴァーしようなどという勇気は、意外と持てるものではないと思うのだ。揶…

「サニーサイド・コネクション」三原順子(1981年)

百恵さん引退前後の激しい「ポスト百恵」争いで、当時ぶっちぎり(仏恥義理でも一向に構わず)で本命と目されていたはずの三原。しかし今振り返ってみるとタレントとしてはともかく、音楽的にはわりと中途半端な位置に留まった感が否めない。以前エンピツ時…

「私のハートはストップモーション」桑江知子(1979年)

「山城新伍の時代」というのが、よくも悪くもあったのだ、ある一時期。今で言うみのもんたぐらいのポジションと言ったらいいだろうか。そしてそんな彼のあれやこれやがもっとも端的に発揮されていたのが、日曜のお昼にやっていた歌番組「笑アップ歌謡大作戦…

「純愛」片平なぎさ(1975)

「東京コミュニケーション 板尾」などというステキ検索で日々たどりつかれている、この「シナプス歌謡曲」です。やめられません。うれし過ぎて。はてなダイアリーの力もあり、ヘタをすると曲によってはこうした鼻歌的な検索でウチがトップにきてしまうことも…

「Sad Song」ザ・ルースターズ(1983)

ルースターズはそれそのものだけでも十分ドラマを背負いすぎたバンドなのですが、同時代で彼らの音楽に接した人たちひとりひとりが皆それぞれに、自分自身のドラマを彼らの歴史や楽曲にからめているというところがあるように思います。私もそうです。彼らの…

「コスモス街道」狩人(1977)

よくある「なつかしのあの歌この歌」的な番組をあまり見る気がしないのは、「この人といえばこの曲!」という縛りがあまりに固定化されてしまっていて、目新しさのかけらもないからなのでした。百恵ちゃんと言えば「いい日旅立ち」、野口五郎と言えば「私鉄…

「ハロー・グッバイ」柏原芳恵(1981)

皿に「Good-bye」、カップに「Hello」と書かれたセットが「可愛い」かどうかは個々の趣味によるでしょうが、少なくとも生まれ変わってソレになりたいとまでは思えないことだけは確かです。どうせならミントンとかヘレンドとか、っつーかそもそも何で「陶器」…

「Love Fair」岡田有希子(1985)

デビュー曲以来竹内まりや作品の印象が強い彼女ですが、私はかしぶち哲郎さんが書く楽曲と岡田有希子さんとの相性は、日本歌謡界におけるひとつの奇跡だと思っています。ちょっと危険で無意識のうちに挑発的、大人の男が憧れてやまないそんな少女像を、この…

「トワイライト 〜夕暮れ便り〜」中森明菜(1983)

→ この歌が特に好きだったというわけでもないのですが、今朝ふと思ったわけです。 「こめかみには夕日の渦」。こんな出だしで始まる歌を、その頃はバリバリのトップアイドルが歌っていたのだなー、と。 競うようにすごい顔ぶれがアイドル達に曲を提供してい…

「ささやかなこの人生」風(1976)

→ 伊勢正三さんの話をすると力が入ってしまいそうだ。好きすぎて。 桜散るこの時期になるときまってこの歌を思い出すのは、おそらく私だけではないだろう。「咲き誇る桜の花」そのものを安易に歌にする輩は後を絶たないが、「散った後の桜」をさらりと歌にし…

「BLONDE」中森明菜(1987)

→ 私の中で明菜さんは「差し歯以前」「差し歯以降」という分類になっており、萌えるのは当然「差し歯以前」の彼女なわけです、ルックス的にも歌唱的にも。 よってこの曲の頃にはもうすっかり彼女への興味を失っていたんですが、先日会社帰りにふと「私より強…

「恋の弱味」郷ひろみ(1976)

→ もしも私がミュージシャンだったら、などという、むずむずするよな青臭い仮定を、今日のみ許してほしいのだ。 ミュージシャン生命に賭けてこれだけは絶対作らねばという、1枚のアルバムの構想がある。 タイトルは「hiromi」。 ここはもう黙って曲目を見て…

「いつもの所で」外道(1974)

→ ハード・ロックではなく、あくまでも「ロックンロール」なわけです。何って、私の好みが。 よってこの外道はかなり微妙な位置にあると言えます。ルックス的にも音的にもストライクとはいい難いものの、例外的にツボにはまって、実はかなり聴いてました。 2…

「トラブルド・キッズ」ARB(1983)

→ 実はこの歌には 「お前は友達もなく 恋人も作らないで 毎日コンピュータと 部屋の中でたわむれてる」 という部分があるのですが、発表された20年前には「ちょっと特殊な職業に就いている人なんだろーなー」と思ったものが、今じゃそんな人は世界中にごろご…

「夜空の誓い」HIS(1991)

→ 祝・坂本冬美復活! というわけでもないのですがHIS。何のことはない、先日地下鉄の中でデカい旅行カバンに「HIS」(エイチアイエスですな)のタグをつけてる人を見て、頭の中にこの歌が蘇ったというわけです。 H = 細野晴臣、I = 忌野清志郎、S = 坂本冬…

「金田一耕助の冒険・青春編」センチメンタル・シティ・ロマンス&村岡雄治(1979)

→ 最近は「俺色アストリンゼン」で検索するとまずこのページに引っかかるんですね。おそるべしはてなダイアリー。 このところさっぱり頭の中が歌謡曲モードじゃなくてですね、ここの更新もほったらかしになっておりましたがひさびさに。同名の角川映画のテー…

「飯場の恋の物語」伊武雅刀(1982)

→ あったんですよ、こんな歌。雑誌「ビックリハウス」が出したカセットテープ「音版・ビックリハウス」に収められていたんです。 伊武雅刀が2つの声色を使い分け、あたかもデュエットであるかのように録音されていたという覚えが。 ちなみに作曲は細野晴臣な…

「マジック・カーペット・ライド」ピチカート・ファイブ(1993)

→ 「Bossa Nova 2001」って奇跡の1枚で、何だか知らないけどとにかくみんな持っていた。それこそ日頃NYパンクばっかり聴いてるような男子が、何故かこれだけは持ってて狂ったように聴いてたり。 そういう私の家にも何故かあるんです。そしてやっぱり、狂った…

「MajiでKoiする5秒前」広末涼子(1997)

→ 「渋谷はちょっと苦手」。この歌の肝はズバリここかと思います。実際は 「渋谷ってあんまり・・・好きじゃないナ(てへ)」 なんてことを言うティーンエイジャーなどこの世には存在しないのですが、作者である竹内まりやが「少女にはこうあってほしい」と…